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嫌韓事情やファンの生き方さえ変えた

 800日におよぶ兵役の苦難を乗り越えて、一回り大きくなって帰ってきた東方神起。忘れてはならないのが、この間に成長したのは2人だけではなかったということ。

 一日千秋の思いで再始動を待ち続けたファンにとっても、東方神起に会えない日々は、自分を見つめ直すまたとない機会になっていた。

「韓国語をもう一度勉強し直したり、ツアー代を貯金するために一生懸命パートで働いたり、ファンにとって“自分を高める”期間になったんです。私も、今後は英語圏のファンとも交流できるように英会話の勉強を始めました。だって、2人があれだけ頑張ってるんですから。いつも元気をもらってばかりじゃダメ。2人が帰ってきたときに、“私たちも成長したんだよ”っていう姿を見てほしいんです」(ファンの1人)

 東方神起の再始動を「盆と正月が一緒に来た」と話す生粋のトンペン(東方神起ファンの呼称)、作家の北原みのりさんもその一人。

「“きちんと生きよう”と。そういう気持ちで2年間過ごしていました。厳しい軍隊生活の中、聞こえてくるユンホの話って、嘘みたいに素敵な話ばかりなんです。(射撃、体力、精神力、戦闘力、すべての科目で90点以上を達成したものに与えられる)“特級戦士”もそうだし、誰よりも働いて、いちばん早く起きていちばん最後に寝る、とか。それを聞いてしまうと、自分だけ怠けてるなんてできない。いないのに、ファンの生き方さえ変える。これが東方神起の存在感なんです」(北原さん)

 数多のK-POPアイドルが日本デビューを果たしている中、東方神起だけが異次元の人気を誇る理由も、同じところにあるという。

「分裂騒動があって、いろんなバッシングを受けながら、彼らは何があっても反論しなかった。つらい過去を持ちながらも、人間性が一切歪んだりしない。いまだに誰よりも腰が低く品行方正で、努力家。ライブではステージの端から端まで駆け抜けて、お客さんの1人1人を全力で楽しませようとする。その姿は光そのものだし、何よりも“正しさ”がある。

 性別を超えて、ああいう人間になりたいという憧れ、いわば人生の目標にまで昇華されていく。好きという感情を通り超えてしまうんです。もはや仮想の国というか、私たちファンは『東方神起国』の国民であって、チケット代なんて税金みたいなもの。当然の義務として払っています」

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